和包丁の多種多様さの理由?
和包丁の基本は片刃です。両刃の牛刀などに比べて、片刃は使いにくいですね。
理由は簡単で、片刃は慣れないと刃がいろいろな方向に動いてしまうため。両刃の場合は、片方の刃が切り込み、もう片方の刃が逆に切り込んでバランスを取っているので使いやすくなっています。
和包丁が片刃なのは、言うまでもなく魚を料理するためです。特に刺し身を食べる日本人にとってはその断面の美しさが大切だからです。
考えて見れば、切って盛り付けて完成の刺し身は切ることが料理の最終工程と言えますから仕上がりに直結してくると言うことですね。
和包丁は種類も実に多いのですが例えば、うなぎ包丁やどじょう包丁などをご家庭で持っている方いらっしますか?これはある意味職業的な特殊ナイフ。
この意味では、洋包丁の世界も負けないくらいの種類があります。でも、種類だけではなく和包丁の特徴はそのサイズが物凄く多いことです。これもまさに魚のため。
例えば、肉であればある程度取扱いしやすい大きさに切ってから料理に入ります。牛一頭を調理場でさばくわけにはいきませんから。
ところが、魚の場合は、まぐろなどの大型の魚を除くとその魚の姿のまま調理場に入ります。また、ブリとアジを比べても大きさにはだいぶ差がありますし同じアジでも豆アジなど、時期や産地によって大きさの違いがあります。
その魚の種類やまた同じ種類の魚でもその大きさによってかなりのサイズ違いがあるのが魚の特徴です。
そのサイズに合っている包丁、と言う、使いやすさを追求していった結果、物凄いサイズのバリエーションが生まれたわけです。
実際に包丁専門店のショーウィンドをのぞくと物凄いバリエーションの多さに驚きますね。日本で料理に使用される和包丁が世界でもまれなほど多種多様に及んでいるのはこのような理由なんです。