職人の技を感じる包丁
包丁を選ぶときに材質や種類の他に大切なことがあると言います。
それはふたつ・・・。
ひとつめは、きちんと鍛造されているか?
もうひとつは、丁寧に刃がつけられているか?
残念ながらこれは値段から推し量るしかないのですが、大体シリーズの中堅のものか価格的に6,000円~7,000円と言われているようです。もちろん値段的にも愛着や手に馴染む1本になるのですが、包丁自体の生命線にもなると聞きます。
鍛冶職人が創る包丁はまさに日本刀そのもの。
まずは鍛接と言う工程。
これは細長い形に切った地金を鋼と密着させて1,000℃前後に熱しながらひたすら叩く作業。これは日本刀と同じ伝統的な手法。
そして火づくりと言う工程。
これは温度を段々と下げながら、丁寧に形と組織を整えていく作業。この作業には、歪みをならすために熱してから冷やすナマシ、裏側の凹面をつくるチラシ、肉厚を決めるセン掛けなど、段々と鉄の細長い板が包丁に近づいていきます。
その後、鍛冶職人が一番緊張をする焼入れ。
760℃~800℃の炉に入れ、絶妙のタイミングで引き上げ間髪を入れずに水に入れ急冷する作業。これは鍛冶職人の経験と勘の成せる技。
焼入れする場所が暗いのは、焼けた鋼の色を正確に見極める為。この焼入れでの温度変化によって強度を増していきます。
そして、刃卸し、刃研ぎ。
丹念な研磨によって鋼が包丁と言う道具になっていきます。
また洋包丁の代表である牛刀もいいものは鍛冶職人の技で生み出されます。
鋼の牛刀のほとんどは、鋼板をプレスして成型されています。また研磨にはベルト状のヤスリを使用したりしますが、この道具の選び方や刃を当てる力加減などはまさに手しごとから生まれているのです。
職人の技を感じる包丁って魅力がありますよね。