マグロは好きですか?マグロ包丁の技【2】
マグロを解体するときにもっとも活躍して、さらに職人技が際立つのがおろし包丁。この包丁は実際に日本刀の歴史とリンクをしています。
明治維新後に出された廃刀令。これは軍の刀のみしか製造が出来ないという規制。このため、刀鍛冶の技術が包丁へと集約されていきました。
そして、今のようなマグロ包丁が出来ていきました。それまでは、大包丁という両刃の大きな包丁で胴を輪切りにしておろしていたようです。
(東京魚市場卸共同組合「森火山画集 日本橋魚河岸」より)
多分その身も今のような綺麗な切り口ではなかったと言われています。そして刃の焼きいれ技術を参考にしておろし包丁が考案されていったと言います。
おろし包丁は、マグロをおろすのに刀のような硬いものは向かないので柔らかいジガネをあわせて弾力性を持たせています。
マグロの解体には通常3人くらいでしますが、おろし包丁を握るまでにはかなりの修練と時間が必要と聞きます。
(3人がかりでマグロを押さえて切ります!)
まずは、四つ身に切ったマグロの血合いなどを取って包丁に慣れる。そしてカマを落とすなど四つ身におろしたものの成形。
それから小さいマグロの頭を落とす役を貰ってようやく本格的なおろしの作業に加わります。それでもすぐには包丁を持てず、まずはまぐろを押さえる役。
次におろし包丁の先を持って刃の動きを調整する役。
おろし包丁を握ってまぐろを解体するまでには数十年かかると言われています。そんな職人のテクニックはなかなか見ることが出来ませんので機会があれば一度覗いてみたいですね。
(参考引用:dancyu・2006・10/築地のプロが教える魚のさばき方と料理)