鉄のフライパンを再生してみました・実践レビュー 7
鉄製フライパンの再生を実際にしてみた感想と作業ポイントをまとめます
仕上がった鉄製フライパンをまずは実際に使ってみます。たまご料理が良いと思いましたので、たまごを焼いてみました。
フライパンをしっかりと熱してからサラダ油を入れて、溶いたたまごを一気に入れます。
写真を取りながらでしたので、プレーンオムレツではなくそのまま焼いてまとめてみました。
ところどころフライパンにたまごがくっついてしまうところがありましたが、たぶんそれは酸化被膜が上手くできていず、さらにサラダ油での最初のならしが不十分だったところだと思われます。
それでも全体的にはこびりつき加工がされているテフロンなどのフライパンとあまり変わりなく焼くことができました。まずまずの仕上がりではないかと自負しています。
さて、焦げ付いて、汚れて、錆び付いてしまった鉄製のフライパンの再生をしてみたのですが、全体的な感想とポイントをまとめてみたいと思います。
まずは、再生前と再生後を比べてみます。画像左が再生前で、右が再生後のフライパンです。
最初はフライパンの表面です。前にも書きましたが、もう少し綺麗に酸化被膜を作ればよかったです。
裏面ですが、これはあまり変わっていないように見えますね…。まあ研磨作業をギブアップした結果なんですが…。使用する際には特に問題がありません。
取っ手とのジョイント部分は錆びなどが出ていましたが、綺麗に再生されていますね。
フライパンのエッジの部分と底の部分はご覧のように綺麗になりました。
取っ手とのジョイント部分の外側は、あまり研磨をしなかったとは言ってもかなり綺麗です。
考察
まず最初に、ここまでの作業時間は約3時間かかりました。ただし研磨作業がやや中途半端なところがありましたので、入念にするにはもう少し時間がかかると思われます。
そして作業自体は、とにかく研磨をする作業がかなりの重労働になります。腰と研磨する側の手が痛くなってくるのはもちろんですが、研磨をするためにフライパンを抑える側の手が意外に痛くなってきます。
ですから、再生をするためにかかった時間と作業の大変さを合わせると、再生をするのはひとつの選択ではありますが、別のフライパンに買い替えると言うこともある意味で選択のひとつかな、って正直思いました。
つまり、再生をするかどうかというのはそのフライパンへの愛着度合いによって選択をすることが必要です。
もちろん、一度再生をすると愛着が湧いてきます。実は今回再生した鉄製のフライパンはその後いろいろな料理に使っています。かなり快適ですし、自分で再生をさせたために愛着もあります。
鉄のフライパンを再生をする際の注意ポイント
■ 事前の準備をしっかりと整えてください。
例えば、作業するためのスペースをきちんと確保してそこへ新聞紙などを敷いておくとか、服が汚れないように汚れてもよい格好をするとか。非常に日曜大工的な作業ですから広いスペースを確保した方が作業効率が良いですね。また煙や削り粉などが多くでますから換気を十分するようにしてください。
■ 汚れなどの付着物をしっかりと時間をかけて炭化させてください。
しっかりと直火で鉄製のフライパンを焼いて完全に付着物を炭化させてください。理想的には手で少し擦ったら炭として少し削ることができるくらいに炭化をすると後の紙やすりでの磨きが格段に楽になります。
■ 紙やすりは多めに準備してください。
紙やすりは大量に使った方が綺麗に仕上がりますし作業効率もあがりますので、やり始めてから「足りない!」と言うことがないように多めに準備をしてください。思った以上に使いますので。
■ 研磨自体は外側よりも実際に料理をするときに食材に接する表面を中心にしてください。
全体的に綺麗にしたいところですが、何度も言うように削る作業は大変ですから、まずはフライパンの表面、内側の実際に食材を料理するところを中心に磨いていくことをおススメします。
■ 酸化被膜はフライパンの表面を中心に全体が玉虫色になるようにじっくりとしてください。
酸化被膜は錆びの防止になりますので、フライパンの表面を中心に全体的にムラなくできるようにフライパンを加熱してください。
最後に
一番最初にご紹介したように、今回の鉄製フライパンの再生方法は、鉄製のフライパンメーカーである「リバーライト」からの直伝の方法です。
参考にさせていただいた書籍、平松洋子さんの「台所道具の楽しみ」の中で紹介をされている仕上がり写真をみると、まるで新品のように綺麗に仕上がっているんですね…。
先ほどのポイントをしっかりと注意して作業をしていけば、おそらく新品のように仕上がると思います。今回のわたしの場合は少し手を抜いたところがありますからね。
でも、ここまでの作業をしておけば、フライパンの表面をクレンザーなどで研磨して、さらにしっかりと酸化被膜を作って油ならしをすれば、何度でも綺麗に再生することができそうです。
これはまた機会をみて作業をしてみたいと思っています。
さて、鉄製フライパンの再生・実践レビューは以上です。
ひとつ間違えなく言えることは、ここまで手をかけると異常なほどの愛着が湧いてくると言うことです。キチンと手入れをしてキチンとメンテナンスをして使い続けていくことが、金額や材質などに関係なく、フライパンを愛着の湧くものにすることなんだなと改めて思った次第です。