鍋を形状や用途で分類
行平鍋、寸胴鍋、親子鍋など鍋にもいろいろな種類があります
雪平(行平)鍋(ゆきひらなべ)
日本の家庭ではもっともお馴染みの和風鍋です。一般的にはフタがなくて、大きさとしては中程度(15cm~18cm)で片手鍋です。その特徴として、汁の注ぎ口が付いています。
和食の煮ものや、いり煮には使い勝手がよく、出しを取る時にも使用する和食の万能鍋です。特に煮ものには、その底の形状が適度に水分を蒸発させて、さらに対流をつくるので味が良く染みると言うわけです。アルミ製の打ち出し式のものがお馴染みですが、ステンレスの製品もたくさんあります。
また雪平鍋には取っ手と注ぎ口のがなく、やっとこと言うプライヤーのような道具で挟んで使用するプロユースのやっとこ鍋、また特に底の部分を丸底にした坊主鍋などがあります。
親子鍋(おやこなべ)
直径16cm前後、深さ2.5cm前後で、取っ手が横ではなく、鍋本体に対して直角に真上に伸びたように付いた鍋を言います。いわゆる丼ものを作る専用の鍋のことですね。
その名前から親子丼を作る鍋と言うのが由来です。鍋が浅いのとその取っ手の形状から丼に具材をそのまま横にスライドさせて盛り付けがしやすいように造られています。
羽釜(はがま)、鍔釜(つばがま
)丸底で鍋の中央付近にツバがついている鍋を言います。もともとが『かまど』で使用する鍋ですが、今はコンロでも使用できるように工夫がされています。一体成形が多く、またフタの重さが程よい圧力をかけて、特にご飯を美味しく炊き上げることができます。
文化鍋(ぶんかなべ)
ご飯を炊く専用の両手鍋を言います。材質はアルミで軽く、手入れが簡単で少ない分量でも美味しくご飯が炊けると言うことで、昭和20年中ごろに登場して大ヒットしました。
フタ周辺の形状が特徴で、その傾斜が吹きこぼれを防ぎ、さらにご飯が炊き上がってくるとその部分におネバが上がってきて、それがフタと本体のシールド効果となっています。もちろんご飯だけではなくその特徴を生かして煮込み料理にも最適な鍋です。
ソースパン
主に洋食に使用される片手の浅い鍋のことを言います。その名の通り洋食のソース作りに適した鍋です。
外輪鍋(そとわなべ)
洋食に使用される直径が比較的大きく深さの浅い両手鍋を日本ではこのように呼びます。
半寸胴鍋(はんずんどうなべ)
直径の2/3くらいの深さがある鍋のことを言います。特に煮込み料理に良く使用されます。
寸胴鍋(ずんどうなべ)
直径と深さがほぼ同じ鍋のことを言います。ラーメン屋さんでスープを煮込むのにお馴染みです。スープなどを取ったり、長時間煮込む料理にむいています。深さの割りには直系が短いので(つまり細長くずんどうと言うことです。)スープなどが煮詰まりにくくなっています。
中華鍋(ちゅうかなべ)
中華料理に利用される鍋を言います。その底の丸さから熱の伝わりが良く、炒めたり、煮たり、揚げたりと言うあらゆる調理を全てこなすことができます。鉄製のものがほとんどですが、最近はチタンのものなどもあります。
中華鍋の中でも、特に北京料理で使用される片手の鍋を北京鍋(ぺきんなべ)と言います。それに対して広東料理で使用される両手の鍋を広東鍋(かんとんなべ)と言います。
圧力鍋(あつりょくなべ)
鍋に専用のフタがついていて、密閉度を高めて、内部の圧力で料理をする特殊な鍋を言います。最近はもちろんお馴染みで、その時間短縮と食材などが柔らかくなるのが魅力で人気があります。
かなりの高圧力と高温になるので、圧力調整弁がフタについていてその調整をして安全性を保っています。